東京工業大学と東京医科歯科大学が統合し、2024年10月に東京科学大学(Science Tokyo)が誕生しました。
Science Tokyoで学びたい方向けの情報はサイト「Science Tokyo 受験生(External site)」をご確認ください。
本サイトには前進の東京工業大学の受験生・高校生向けの情報が掲載されていますが、順次「Science Tokyo 受験生」に移行していきます。

東工大生の未来ものがたり — 石川新さん

社会も東工大も変える。その先陣は、自分たちが切りたい。

社会も東工大も変える。その先陣は、自分たちが切りたい。 石川新さん 環境・社会理工学院 融合理工学系 学士課程3年

社会も東工大も変える。その先陣は、自分たちが切りたい。 石川新さん 環境・社会理工学院 融合理工学系 学士課程3年

環境・社会理工学院 融合理工学系 学士課程3年

東工大を目指すことになったきっかけ

東工大を目指すことになったきっかけ

高校2年生のときの進路相談で志望大学を調べたときに東工大の存在を知り、担任の先生からの後押しもあって東工大への進学を考えはじめました。東大や京大も考えましたが、より特定の分野に強い人の割合が多そうな東工大に魅力を感じました。
理工系に進んだのは、街づくりやエネルギー系の分野に興味があったからです。そういう勉強ができるのは第6類(当時)で、この道に進みました。生まれも育ちも神奈川で、今もそこから通っているのですが、東京の街を見ると自然発生的にできていてムダも多いなと感じる部分があり、改善できる何かがないかと考えるうちに関心が深くなっていきました。

受験勉強時代について

現役では受からず1年浪人することになったのですが、その期間になぜ東工大なのか、将来何をしたいのかをすごく考えるようになりました。勉強している意味や将来のことを改めて考えた上で、やっぱり東工大が面白そうだと自分で納得できたから勉強を続けられましたね。
浪人時代には予備校で東工大広報誌の『TechTech』も読んでいましたよ。いろんな人の対談や研究室の紹介といった『TechTech』の記事に目を通していてモチベーションになっていました。オープンキャンパスでもらった留学の手引きも予備校に持っていく鞄に入れて、何か迷いが生まれたときはそれを読んで「やっぱり行くんだ」と気持ちを奮い立たせていましたね。この手引きのおかげで入学後すぐにスウェーデンへ超短期留学に行けました。都市開発の観点で街を見ると面白く、各都市の大学や研究機関、企業を見学したり、空き時間にノーベル博物館にも行きました。

東工大で今、打ち込んでいること

東工大発ベンチャー株式会社ENTOTSU創業メンバーとの様子

東工大発ベンチャー株式会社ENTOTSU創業メンバーとの様子

融合理工学系の学問領域は一つでは語れません。数学から物理、力学、統計、生物、さらに気象やエンジニアリングデザインなど分野を横断する学問を扱います。それらの知見を街づくりやエネルギー問題などの社会課題の解決にどう使うか複眼的に思考するのが特色。専門を特定せず、プロジェクトマネジメントなど経営に近い頭の使い方も学んでいます。
実は小学生の頃から嵐が好きで、よく真似して踊っていました。大学に⼊ってからは本格的にロックダンスをしています。最近興味があるのは映像制作。自分のイメージを人に伝える手段として動画なら表現しやすいと思ったんです。というのも、大学になってからよく海外に行くようになりました。その様子を友人と立ち上げたTechPackersという学生団体でブログにしているのですが写真と文字だといまいち雰囲気が伝わらなくて、映像を制作するようになりました。その旅動画をYouTubeに投稿していて、今後はダンスも録ってアップしていきたいと思っています。
今年2月には僕を含めた有志3人で株式会社ENTOTSUを起業し、5月に東工大発ベンチャーに認定いただきました。建設系の会社として立ち上げ、建設と人材開発を軸にこれから事業を動かしていきます。

東工大の環境・社会理工学院に入ってみて

東工大の環境・社会理工学院に入ってみて

東工大に入る前は変わっている人が多いと聞いていましたが、実際に入学して周りを見渡すとみんな落ち着いているというか、大人しいという印象です。ただ特定の話に造詣が深いのは東工大生らしさかなと思います。
環境・社会理工学院の学生は外へ目を向けている人が多く、明るくて活動的。知っていることの幅が広く、コミュニケーションも積極的に取る人が多いですね。僕は東工大をおしゃれな大学と言われるようにしたくて、その先陣を切っていけるのは環境・社会理工学院だと思っています。

コロナ禍での過ごし方

コロナ禍での過ごし方

家から大学までが遠く通学時間がなくなったのは嬉しかった反面、気持ちの切り換えが難しくモチベーションの維持が大変でした。それでも課題は思ったよりはかどりましたね。通学しているときは大学で課題をやっていましたが、他のことに意識が向くことも多かったので、それがない家では集中して取り組めたかなと思います。

今後の目標や将来の夢について

何かを得てから大学を旅立ちたいという思いがあり、今後は修士課程に進みたいです。まだ研究室は明確に定まっていませんが、早ければ今年の後期には決めたいと思っています。
会社に関しては、空間プロデュースや店舗設計などの建築事業を進めながら、人材開発では学生に対してキャリアの幅を広げるような機会を提供するプログラムを組めないかと考えています。新規事業として地方創生に関わるプロジェクトも動かしていて、それを軌道に乗せて画期的で持続可能な街づくりにつなげたいです。あとはYouTubeのチャンネル登録者数を1,000人以上にしたい(笑)。何か一つのことにとらわれず同時多発的に可能性を広げていきたいですね。

私のある1日

私のある1日

One Day of a Tokyo Tech Student

通学しているときの過ごし方

時計6:30

起床、朝食、準備など

矢印

時計7:30

登校

矢印

時計9:00

授業

矢印

時計10:45

授業

矢印

時計12:15

昼休み

第一食堂の上にあるAttic Labで昼食をとり、課題をしています。

矢印

時計13:20

授業

矢印

時計15:05

授業

矢印

時計18:00

サークル活動

矢印

時計20:00

夕食、帰宅

矢印

時計22:30

課題

矢印

時計24:00

就寝

オンライン授業のときの過ごし方

時計8:30

起床、朝食、準備など

矢印

時計8:50

授業

矢印

時計10:45

授業

矢印

時計12:25

昼食

昼ご飯を食べながらオンライン会議をしていました。

矢印

時計13:30

授業

矢印

時計15:25

課題

矢印

時計17:00

サークル活動@Zoom

矢印

時計19:00

オンライン会議

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時計20:30

晩ご飯

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時計21:00

動画編集

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時計23:30

自由時間

矢印

時計24:30

就寝

  • 所属しているサークル/部活動は?

    所属しているサークル/部活動は?

    今年新入生が1人増えたTechPackersと、ストリートダンスサークルのH2Oに所属しているほかに、学内コワーキングスペースAttic Labの運営に携わっています。
    また、今建設中のHisao & Hiroko Taki Plazaの使い方を考えるTaki Plaza Gardenerという学生ワーキンググループで、映像やグッズ、イベントポスターなどをつくる制作班の班長をやっています。あとは、学内の語学パートナー制度を運営するACTIONという団体の立ち上げメンバーとしても関わっています。

  • 一番好きな授業・研究や、印象に残っている授業・研究は?

    1年のときに受講した科学・技術の創造プロセスで、建築系の先生担当はロケットストーブ、土木系は石積み、そして融合理工学系の先生が担当していたのがゴミ箱作りでした。ゴミ箱作りでは、いかに多くの人がペットボトルのキャップとボトルを分別して捨てたくなるかという観点でデザインしました。最近では、地形はもちろん流体力学や熱力学の知識も必要になる気象学が興味深かったです。まさに分野横断型の学問であり、科学者としての知識の幅が問われる分野だと思いました。

石川新さん

Profile

石川新(Shin Ishikawa)

環境・社会理工学院 融合理工学系 学士課程3年 神奈川県出身

高校生、受験生に向けて一言!

高校生、受験生に向けて一言!

大学は自ら考えて学ぶ場所です。いろんなことに関心を抱いて自主的に学ぶということを意識してほしいし、それが自分の専門にも生きてくると思います。学問を突き詰めていると閉じた世界に陥りがちですが、社会に目を向けて、広い視点で何をするべきなのかを考えることも大事だと思います。自分が面白いと思ったことには果敢に挑戦してみる、そして学問のみならず様々なことに関心を抱いてほしいです。

環境・社会理工学院

環境・社会理工学院 ―個々の建物から地球全体まで持続的環境を構築―
2016年4月に発足した環境・社会理工学院について紹介します。

環境・社会理工学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

Tech Tech ~テクテク~

本インタビューは東京工業大学のリアルを伝える情報誌「Tech Tech ~テクテク~ 38号(2020年12月)」に掲載されています。広報誌ページから過去に発行されたTech Techをご覧いただけます。

(2020年取材)