大当たり!普通の射手にとって、これ以上の正確性の定義はないのですが、弓道家はここで終わりではありません。弓道家は矢の描く飛行軌跡で表現される精神と肉体の一体感を追求します。的の真ん中に当てることは目的というよりむしろ、弓道の最終目標である肉体と精神の調和を獲得した結果なのです。
「ほとんどの部員は大学で初めて弓と矢を手にします。」と説明してくれるのは情報工学科3年生で主将の高橋智洋さん。「一方で、高校から弓道をやっていた部員も何人かいます。フォームやテクニックについて気づいたことがあればアドバイスしますが、経験者は既にある程度のレベルに達し、独自のスタイルを確立していることもあります。我が弓道部の師範の東京道場に時々通う部員もいますが、基本的に全て自主的な活動に任せています。」
大学対抗戦は男女別に行われますが、日々の活動は男女一緒に行います。東工大弓道部は、大体20~30名の部員で構成されますが、男女の構成比は大学全体の構成比を反映して男性が多くなっています。ここ数年、男女共に大学対抗戦では好成績を収めています。ただ、最も重きを置いているのは競争に勝つことではなく、人間としての成長であることには変わりません。
Tokyo Institute of Technology Bulletin Renewal(2009年3月)