東京工業大学デザイン研究会は、様々なデザインに取り組むサークルです。個人の創造性をいかんなく発揮するため、お互いに競い合うことはしません。何をデザインするかも各個人の自由です。
「私は小さい頃からものを作るのが好きでこのサークルに入部しました。」と語るのは部長で建築学を専攻する3年生の小林さん。「部員がサークルを紹介するとき、自分のペースで好きなものを何でも作れる、と説明してくれました。そこに非常に魅力を感じましたね。」
副部長で、部長と同じ建築学専攻3年生の鈴木さんによると、数あるデザインの中でも部員の間で人気なものは、照明、グラフィックデザインやTシャツだそうです。「約4割を占める女子部員の間ではアクセサリーが特に人気ですね。材料は自分で買ってきますが、工具は自分達で揃え、何種類か切断機のある大学内の工作室も利用することもできます。」
研究会には約20人の部員が在籍しています。だいたい週に1回、作品製作のために集まって2〜3時間作業しますが、年に一度の秋の学園祭「工大祭」が近づく頃は、頻繁に集まるようになります。「工大祭は1年で最も重要なイベントです。」と小林さんは言います。「これまで製作してきたものを綺麗にディスプレイし、毎年新しく開くCafé and Galleryを手作りの家具やデコレーションで飾るほか、宣伝用パンフレットも自分たちでデザインします。」小林さんによると2日間の学園祭で300人もの人がカフェを訪れるとのことです。
その他の主要な参加イベントとしては、大型展示場の東京ビッグサイトで毎年開催されるデザインフェスタがあります。「1,000点以上のデザインが展示される大イベントです。」と小林さん。「でも、そこには競争はありません。作品をデザインして展示するという純粋な楽しみのために参加しています。」
このほかの活動としては、大学が休みの時にアートギャラリーや窯元を訪ねる小旅行などを企画し、様々なデザインを楽しんでいます。
Tokyo Institute of Technology Bulletin No. 24 (2011年11月)