幻の工大祭2019
東工大では、毎年10月に大岡山キャンパスにて学園祭を開催しています。その名も「工大祭」。
しかし、工大祭2019「Hello World!!」は台風19号の影響を受け、来場者の安全の確保並びに参加団体の来学が難しいため、2日間とも全日程の中止となりました。
今回は、そんな「幻の工大祭」の企画について紹介します。
新旧委員長インタビュー
工大祭の運営は工大祭実行委員会の学生が主となって行っています。前年度の工大祭直後から1年かけて次の工大祭の準備をしつつ、合宿などもあり楽しく活動しています。
工大祭では、模擬店やサークルなどの学生団体による企画だけでなく、研究室公開企画や地域の皆さんによるフリーマーケットなども開催されています。例年50,000人を超える多くのお客様にご来場いただき、運営している側としてもやっていて良かったと思える2日間です。
- 2019委員長 芥川聖さん コメント
理学院 物理学系 学士課程3年
2019年は、主体となって運営する学士課程2年生が少なかったり、キャンパス内の工事などの影響で例年通りに準備できないなど苦労も多々あったなか、プログラミング言語において最初の動作確認でしばしば使われることでも有名なフレーズ「Hello World!」をテーマに掲げ、工大祭が世界の無限な可能性へと踏み出す第一歩になればと思い頑張ってきました。それだけに、1年間準備してきた工大祭を中止すると判断をしたときはやるせない気持ちでした。
- 2020委員長 三浦拓也さん コメント
工学院 システム制御系 学士課程2年
工大祭2019を楽しみに待っていてくださった方々に、より一層魅力的な工大祭をお届けできるよう頑張ります!
幻の企画 1 : 東工大レゴワールド2019
レゴ同好会では、例年工大祭で作品展示と体験コーナーを設け、小学生を中心に3,000人近くの来場者にお越し頂いています。2019年は、体験企画として東工大本館・附属図書館の組み立てキットを用意したほか、約10,000パーツを用い半年以上かけて設計してきた附属図書館を再現した大型作品などを展示する予定でした。2020年は精巧な作品からユーモアのある作品まで、数多く用意してお待ちしております!(東工大レゴ同好会から)
幻の企画 2 : にかいどうぶつえん
Q1 2019年はどんな企画にする予定でしたか?
爬虫類と昆虫、古代魚や水槽の展示、ハリネズミふれあいコーナー、ドゥビア(ゴキブリ)つかみ、生き物のポスター説明、グッズ販売などは例年通り行う予定でした。
前回まで地域ごとに分けて行なっていた展示を、進化の成り行きで分類するなどの変更を考えていました。
Q2 普段はどのような研究をしていますか?
進化生物学を扱っています。例えば、魚類の嗅覚受容体がどう進化したか、ハリネズミの針はどう進化してできたものなのか、などを研究しています。
研究に関係ない生き物も多いですね。生き物好きの人が多いので、即売会などで買ってきてペットとして飼育しちゃうなんてこともあります(笑)
Q3 工大祭に来る方にメッセージをお願いします!
2020年は中止になった前回の分含めて2年分張り切って出したいと思っているので、ぜひ来てください!
(二階堂研究室から)
幻の企画 3 : 工大祭 フリー マーケット
工大祭フリーマーケットは、東工大周辺の地域の方々にご協力、ご参加いただき、2020年で9年目を迎える、他の学園祭ではなかなか見かけることのない工大祭特有の企画です。毎年160店ものお店が出店し様々な商品が並び、開催場所のウッドデッキは大盛況。このフリマを楽しみにして、工大祭に来る来場者もいるんです。2019年が中止となった影響で、以前にも増してフリマは気合が入っています!東工大入学希望者もそうでない方も、ぜひフリーマーケットにお立ち寄り、「モノ」や「ヒト」へ出会いに来てください!
(工大祭フリーマーケット担当者から)
幻の企画 4 : サイエンスギャラリー・サイエンスラボ
Q1 2019年はどんな企画にする予定でしたか?
東工大公認サークルの東工大ScienceTechno(サイテク)では、サイエンスギャラリーとサイエンスラボの2つの企画を出展しています。2018年は、サイエンスラボではサイエンスショーを行ったり、工作教室を運営したりしました。サイエンスギャラリーでは科学や技術の楽しさを理解できるような展示を出していました。2019年はさらに来場者を楽しませるために、横断企画として、ショー、工作教室、展示の三箇所でスタンプを用意し、スタンプ数に応じて景品がもらえるスタンプラリーを企画していました。
Q2 普段はどのような活動を行なっていますか?
科学や技術の楽しさを多くの人と分かち合うことを目的に、小学校や科学館などさまざまな場所で工作教室やサイエンスショーの企画・運営を行っています。特に子どもが科学を楽しむ機会を設けることで、科学に興味を持つきっかけとなることを目指しています。
(サイテクから)
幻の企画 5 : 東工大生が鍛え上げた肉体を競い合う企画
「東工大TOP OF MUSCLE 2019」
東工大TOP OF MUSCLEとは、鍛え上げられた肉体をもつ東工大生の中から、ステージ上でのポージングやパワーフォースを通して“最強”を決めるコンテスト。
2019年は野外ステージで行う予定でした。
中川創大選手
先輩に薦められて参加しました。
2020年はどんなマッチョが出場するのか、本当に楽しみです。
専門:行動ファイナンス
自慢の筋肉:肩
好きな筋トレ:ダンベル、ショルダーブレス
齊藤海輝選手(熊殺しのかいき)
この企画で皆さんに伝えたかったことは、筋トレをするとすべてうまくいくことです。筋トレで分泌されるテストステロンにより不可能という言葉は消え、度胸、自信、おもしろさ、頭脳、すべて身につきます。満員電車で当たり負けしません。またどこでも脱げます。
専門:化学工学
自慢の筋肉:肘筋
好きな筋トレ:木登り
齋藤孝一選手
今までの人生でダイエット、食事制限をしたことがなく、食欲を抑えるのが辛かったです。しかし身体に変化が現れてくるとモチベーションを保つことができ、最後までやり切ることができました。
専門:電気電子
自慢の筋肉:脚
好きな筋トレ:脚トレ
中止を受けて自主的に活動した学生達
工大祭の中止を受けて、文化系サークルが工大祭に向けて作成した部誌や作品を頒布するイベント「東工大旨いもの市」を開催しました。自分達が中止を受けて悔しさを感じていたり、部誌をどうするかを考えたりする中で同じ思いを持った人が少なくないのではないか?と考え、このようなイベントを開催しました。当日は東工大の学士課程から大学院課程の学生まで来場し、「文化系サークルの活動を知ることができて良かった」という声が多く寄せられました。
本インタビューは東京工業大学のリアルを伝える情報誌「Tech Tech ~テクテク~ 37号(2020年3月)」に掲載されています。広報誌ページから過去に発行されたTech Techをご覧いただけます。
(2019年取材)