東京工業大学英語研究部の部員は英会話力の向上に非常に熱心で、6時間に及ぶ練習を週二回行っています。一見、長過ぎると思われるこの6時間も、ディベートの練習をしていると矢のように過ぎてしまいます。
現在、部員は25名程ですが、入部した理由は様々です。「私は英語を話すのが苦手で、どうにか上達したいと思って入部しました。また、ディベートのスキルを向上させたかったのも理由の一つです。」と話すのは、部長を務める生命理工学部3年の手島健吾さんです。手島さんが入部したのは二年前、当初は英語を話すことに消極的だった手島さんも、今では随分積極的に話せるようになったそうです。
他の部員達も『英会話を楽しみたい』や『ディベートで自身を磨きたい』等、入部理由はそれぞれです。ディベートについて、手島さんはこう話します。「ディベートは難しく、論理的思考、人前でスピーチをする自信、わかりやすい事例を使って議論する能力が要求されます。先輩方のなかには数々の大会で入賞している素晴らしいディベーターもたくさんいて、学ぶことがまだまだたくさんあります。」
他大学と競うディベートの大会は年に十数回あり、ここで勝ち抜いて良い成績を残すために、毎回の練習でお互いのディベートについて詳細にわたるフィードバックも行います。また、部員の中には国内のみならず、海外に遠征する部員もいて、最近ではボツワナ、フィリピン、韓国で開かれる大会に参加しました。春と夏には、プロのコミュニケーション関連団体が主催する3日間のイベントがあり、部員たちはここに参加しディベートのスキルに更に磨きをかけます。
英語はその汎用性からも興味を持つ学生は多く、毎年コンスタントに様々な英語のレベルの新入部員を迎えています。また、部員の皆さんは、ここで培ったスキルが東工大卒業後も長く役に立つという利点も英語研究部の魅力だと語っています。
「今私たちが切磋琢磨し学んでいるディベートスキルは、将来仕事をする上で役に立つと思います。今日グローバルビジネスが日常となっており、そこでは英語がグローバルな共通言語として使われています。だからこそ、私たちはもっと英語を積極的に話せるようにならなければなりません。また、日本人はディベートや論理的に考えることが苦手なので、そういったスキルも向上させる必要があります。」と語る手島さん。今後も更なるディベートスキルの向上に努める英語研究部です。
Tokyo Institute of Technology Bulletin No. 27 (2012年8月)