東京工業大学のラテンジャズビッグバンドサークル「ロス・ガラチェロス」は、大岡山キャンパスで最も有名な学生サークルの一つです。2010年12月に同バンドは結成44周年を迎えました。このサークルはこれまで長い年月の中で何度か指向が変わることもありましたが、10年ほど前にラテンジャズに落ち着きました。
「レギュラーバンドとジュニアバンドの2つのバンドがあり、それぞれ19名のメンバーがいます。」と説明するのは情報工学科2年生のバンドマネージャー染谷悠一郎さん。「その他40名くらいのメンバーが、レギュラーバンドでの演奏を目指して定期的に練習会に集まります。」
それぞれのバンドはブラス(金管楽器)とパーカッション(打楽器)のセクションで構成されています。ブラスにはサックス、トロンボーン、トランペットなどがあり、パーカッションにはコンガ、ボンゴ、シンバルなどがあります。さらに、ベース、ピアノ、ドラムも使われます。どちらのバンドもヴォーカルなしで全て楽器の演奏です。
染谷さんはバンドマネージャーとして、コンサートのスケジュールやバンドのホームページ、コンサートへの移動手段を管理し、楽器の運搬はそれぞれのメンバーが責任を持って行います。そして染谷さん自身もレギュラーバンドでピアノを演奏しています。
サークルではこれまでの音楽経験に関わらず入部を歓迎しています。染谷さんによれば「週に2回練習会がありますが、経験豊富なメンバーが練習をサポートします。」「また、新入部員でも経験豊富であれば、どちらかのバンドで直ぐにでも演奏するチャンスがあるかもしれません。どの曲目を演奏するかはバンドメンバー内で話し合って決めます。」とのことです。
バンドは年間10回以上コンサートで演奏します。他大学の学園祭に招待されて演奏したり、時には有料コンサートで演奏したり、競技会に参加したりもします。2010年の夏には、東京で開催された山野ビッグバンド・ジャズコンテストにおいて、日本全国から参加した50組のバンド中10位となった実績があります。
そして、ロス・ガラチェロスの演奏は東工大への留学生も魅了しています。本場南米コロンビアからの留学生で、東工大で修士号取得を目指すエブリン・ギラルドさんは大学入学後初めてキャンパスに入った時、彼らの練習演奏のあまりの素晴らしさに驚き、まるで故郷に帰ったようだと語っていました。
Tokyo Institute of Technology Bulletin No. 20 (2011年1月)