未来のグローバル理工人たち

「本質を見抜くこと」東工大で、その大切さを学びました。小林 敏洋さん 工学部 無機材料工学科 学部4年

東工大を目指すことになったきっかけ

受験校として意識し始めたのは、東工大の細野秀雄先生が出演されたNHKのドキュメンタリー番組がきっかけです。子供の頃からものづくりが好きで、高校1年生の頃には既に「材料工学」という分野には興味を持っていたので、この番組を見た瞬間「これはすごい!」と思い、東工大について調べ始めました。すると、東工大が材料工学の分野で世界トップクラスだと知り、「ここしかない!」と受験を決心したんです。

小林 敏洋

高校の先生には「東大を目指せ」と言われました。でも、自分のやりたいことは東工大にあったので、その気持ちを優先しました。

出身が大阪なので、単純に東京に行きたいなという気持ちもありました。東京はイベントや講演会も多く、自分が欲しい情報がたくさん入ってくるので、そういう環境に身を置きたいなと思っていました。

受験勉強時代について

細野先生の元で学びたい、という想いがあったので、迷いはなかったです。もちろん何でもうまくいってたわけじゃないですよ。努力してても思うように成績が上がらなかったり、高校3年の模試の判定がちょっとヤバかったり。でも悩んだって仕方ない。 悩んで受かるなら、誰だって悩みますよ。
自分ができることをやるしかないって気持ちを切り替えて、もう余計なことは何も考えず、バカみたいに勉強に没頭してましたね。あまり友達とも遊びに行くこともなかったので、周りからは「変なヤツだ」と思われてたかもしれないですけど(笑)
でもそんなの別にいいんです。ひたすら目の前のやるべきこと、勉強だけをやってました。そうすることで自ずと結果がついてくるんです。

東工大で今、打ち込んでいること

東工大で今、打ち込んでいること

東工大への憧れのきっかけとなった細野研究室にて。日々、研究に没頭する小林さんの表情は充実感にあふれていた。

念願かなって、今年から細野先生の研究室に入ることができました。今は研究や発表に夢中の毎日です。でも高校生の頃からそのまままっすぐ細野先生のところに進んだわけではなく、材料工学以外の分野に進もうかと真剣に悩んだ時期もありました。色々右往左往して、考え抜いて、今はこのまま材料工学の道を進もう、と思っています。

あとは、東工大OB会である蔵前工業会の学生分科会に参加しています。そこでは、東工大OBの方と現役東工大生の交流の機会を作るために、学生が主体となって色々な企画を立てています。
東工大OBの方々は素晴らしい才能を持っている方ばかりですので、そういう人とつながりを持つことができれば、必ず東工大生たちのこれからの人生の役に立つと思っています。
また、もう1つ参加しているリベラルアーツセンターも、学生主体で様々なプロジェクトに取り組む団体です。どちらの団体も自分にとっては「複数の人数で1つのプロジェクトを動かす」という貴重な経験になっています。

将来の夢について

両親からは、ありがたいことに「お前は自分の好きな分野で好きなことをやれ」と言われていますので、ゆくゆくは研究者になりたいと思っています。
ただ、研究者として会社に入ったとしても、いずれ企業の経営の部分にも関わっていきたいと思っています。

小林 敏洋

野心とかそういうことではなく、研究者のやっている専門分野というのは、どうしてもその専門の人間以外には内容が分かりにくいものになります。その研究が会社にとって本当に必要なものであっても、研究者ではない経営陣にとってはそれが明確に分からないから、人やお金が正しくまわってこない、ということが起こってるんじゃないかと思います。

自分のような理工出身の人間がそういった「人、物、金」の配分に携わる立場にいることで、研究の必要性や将来性を正しく判断でき、適切な資源が配分できるようになればいいなと考えているので、いずれはそこを目指していきたいと思っています。

ミニコラム My Tokyo Tech Life

  • 所属しているサークル/部活動は?

    3年生まではMeisterという、ものづくりサークルに所属していました。
    今は部活・サークルはやっていませんが、蔵前工業会(OB会)の学生分科会と、リベラルアーツセンターの学生プロジェクトに参加しています。

  • 一番好きな授業・研究や、印象に残っている授業・研究は?

    固体物理学の鶴見先生、という、東工大生の中ではちょっとした有名教授がいらっしゃるのですが、すごく印象に残っているのが「勉強ばっかりしてちゃだめだよ。授業だけは集中して、後は遊べ」と言われたこと。言葉のままの意味じゃなく、『勉強はもちろん大切だが、学生である時間は有限。その限られた中で、これから社会に出て行く上で必要になってくる知識の「本質」の部分を、時間をかけてしっかり学べ。1から10まで全て知ろうと思うには時間が足りない。とにかく本質を知れ。』ということを教えられた。
    授業もおもしろいですが、とにかく先生自身がおもしろいです。

  • アルバイトはしていますか?

    アルバイトをしたことはありませんが、研究のお手伝いとしてリサーチアシスタントはしていました。
    心理学にも興味があるので、認知科学の徃住先生の元でやっていました。

小林 敏洋

Profile

小林 敏洋(Toshihiro Kobayashi)

  • 工学部 無機材料工学科
  • 細野・神谷・平松研究室
  • 学部4年生 大阪府出身

高校生、受験生に向けて一言!

まずは大学を選ぶにあたって、いきなりひとつひとつの大学を知っていくのではなく、まず自分は何を一番重要視するのか、ということをじっくり考えて欲しいと思います。
やりたいこと、学びたいことが全部が決まっている必要はないし、全部決める時間もありません。ましてや高校生の時はまだ人生経験も浅く、分からないことも多いと思います。とにかく自分の中で「これが重要だ、これだけは譲れない」というポイントを、しっかりと掘り下げて考えて、その上で、それを満たしてくれる大学を探してほしいです。
興味ある大学のオープンキャンパスや研究室を全て見て回ったほうがよくても、そんな時間はありません。誰だって不確定な情報の中で探すしかないんです。そんなときは「一番重要なこと」だけをしっかり考えて、見極めていってほしいと思います。

(2013年取材)