僕らは、どこにだって行ける!東工大的海外展開

僕らは、どこにだって行ける!

研究に「国境」はない─。グローバル化が進んだ今、研究者の活躍の場は世界中に広がっています。
「学生のうちに海外へ踏み出し、様々な考え方に接することは、研究者としての価値観を大きく広げてくれるはずです」。国際担当の関口秀俊教授はそう言います。

提携校は世界中に50校以上!留学を組み入れたコースも開設

東工大は、海外留学に積極的な理工系大学のひとつです。派遣交換留学の提携校は米国や欧州、東アジア、オセアニアなどに50校以上。受入先の学校の授業料が免除される授業料不徴収の協定校も多いです。20を超える様々な留学プログラムを展開しており、英語力に自信がない人には短期間の語学留学を、英語が得意で本格的に研究に打ち込みたい学生には長期留学を、というように留学の目的や語学力に合わせて柔軟に希望に応えているのが特徴と言えます。

なぜここまで充実した留学支援策を提供するのか。それは東工大が、これからの研究者には世界で活躍できる力が必要だと考えており、グローバル人材の育成に力を入れているためです。
2011年には、理工系分野の国際的リーダーを養成する「東工大グローバルリーダー教育院」プログラムを設立。さらに2013年からは、海外留学を履修課程に組み入れた「グローバル理工系人材育成コース」をスタートし、世界的視野を持った研究者の育成に力を入れています。将来、理系の能力を生かし、国境にとらわれずに活躍したい。東工大では、そうした学生が世界に羽ばたくチャンスをつかめるよう、様々な形でバックアップしています。

僕らは、どこにだって行ける!

いろいろあります。留学サポート

  • 個別の学習支援
    外国語学習の進め方に不安があれば、外国語学習相談室に行ってみよう。英・独・仏・中など各言語の専任教員が、相談に乗ってくれます。
  • English Cafe
    ネイティブスピーカーの教員とランチをしながら英会話を楽しむ「English Cafe」を毎週開催中。英語に親しみたい人に最適。
  • 短期外国語集中講座
    英・独・仏・中の集中講座を、夏休みや春休みに無料で開講しています。短期集中で外国語漬けになって、語学力をアップ!

19日間の語学留学を経験し、遠く感じていた「世界」が身近に

ワシントン大学で英語力を試す 塚本翔大さん

「英語が苦手だから」「お金がかかるから」と考えて、海外への挑戦をためらう人もいるかと思います。しかし海外で何かつかみたいという意志がある人なら心配ありません。東工大では語学力や国際感覚を養うための短期留学プログラムが充実しています。
その代表例が、東工大の語学学習支援プログラム「TASTE」。塚本翔大さんも、このプログラムを活用して2012年に19日間、米国・ワシントン大学での語学留学を経験しました。新薬開発にかかわる材料の研究を志す塚本さんにとって、世界的な製薬会社を多く擁する米国は避けて通れない国のひとつ。あらゆる国から優秀な学生が集まるという点でも、米国の大学には以前から興味を抱いていました。しかし、塚本さん自身が英語でコミュニケーションを取った経験はゼロ。海外の大学院への進学を検討する前に、現地で自分の英語力を試してみたいと考えていたところ、奨学金を受けながら海外で語学研修を受けられる「TASTE」の存在を知り、短期留学に踏み切りました。

海外に滞在するのは修学旅行以来という塚本さんにとって、単独渡米は不安の連続でした。英会話を勉強してから渡米したものの、空港で飛び交うネイティブの英語に緊張は高まりました。「空港から大学へ向かうために乗り込んだタクシーの運転手さんが気さくに話しかけてくれたおかげで、なんとか一息つけたんですよ」と苦笑。

ワシントン大学では英語や米国文化を学ぶために世界中から集まった学生と同じクラスで学びました。フランスやサウジアラビア、中国、韓国など国際色豊かなクラスメイト約50人とともに、大学で日常会話のレッスンを受けたり、映画を観た感想をディスカッションしたり。会話の力を重視した授業に取り組みました。設定されたテーマについて自分たちで調べ、発表するプログラムなども印象的なもののひとつです。
学生の語学力に応じてクラス分けされているので、ひとりだけ授業についていけないという心配もなかったといいます。課題はむしろ、メンタル面でした。「もともと日本人は英語で自分の思いを表現するのが苦手な人が多いと思います。僕自身もまさにそう。最初のうちは気恥ずかしさが先に立って、なかなか自分の思いを英語で表現できなかったんです」と塚本さんは振り返ります。ディスカッションの授業では、率先して発言するフランス人の学生らに圧倒されました。

自分の思いを表現できずに苦労した塚本さんですが、立ち止まっている時間は短いものでした。研修期間は19日間。限られた時間内で、できるだけ英語を話さなければもったいないと気持ちを切り替えました。レッスンは午前中で終わるため、午後は市内観光などを自由に楽しむことができます。そこで塚本さんは放課後に他国からの留学生を誘って市内観光に行ったり、学内を散策して図書館に入ってみたりと、授業以外の時間も活発に行動し、言葉が通じにくいと感じた場面では、ジェスチャーを交えたり、事前に原稿を準備して乗り切る事ができました。もともと野球好きということもあり、シアトルの野球場には友人たちと3回も足を運んだといいます。「スタジアムでイチロー選手やダルビッシュ選手が見られたのも収穫でしたね。また、有名な観光地であるスペースニードルという高層タワーから広がるシアトルの夜景はとても美しく、一生の思い出です」。

あっという間の19日間を経験し、塚本さんの中で遠く感じていた「世界」が身近になり、海外の大学院進学のイメージはずっと具体的なものに変わっていました。再度渡米し、カリフォルニア工科大学やUCLAなど、関心を持っているアメリカの大学院を3校見て回ったほどでした。
「初めての渡航なら、緊張して当たり前。大事なのは、言葉が未熟でも、がむしゃらに話しかけようという熱意。なんとしても話したいという思いは、きっと伝わります」

世界屈指の研究室に留学し、世界の動向を肌で感じる

スイスの有名校で経済物理学を研究 由良嘉啓さん

充実した語学留学のプログラムを設ける一方、東工大では海外で最先端の研究環境に身を置きたいと考える学生に対しても、手厚いサポートを用意しています。由良嘉啓さんも、そうした支援を活用して留学を果たしたひとりです。

由良さんは修士1年のときに、国際学会で発表した研究内容がスイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)の教授の目に止まり、2012年10月から半年間、ETHへ行くことになりました。そこで役立ったのが、「大学の世界展開力強化事業」に基づく東工大の留学支援プログラムです。このプログラムは、マサチューセッツ工科大学をはじめ世界トップクラスの理工系大学に留学する学生を対象に、渡航費や奨学金が支給される内容で、ETHも対象校のひとつ。由良さんは「このプログラムがあったおかげで、教授から声をかけてもらえるという好機を逃さずにすみました。経済的な心配をせずに研究に専念できる恵まれた環境だったと思います」と言います。

ETHはかのアインシュタインを輩出したことで知られており、東工大とも深い連携関係にあります。特に由良さんが配属された経済物理学の研究室は、その分野において世界で五本の指に入るレベルの高い場所でした。所属するのは、フランス人の教授を筆頭に、ロシア人や中国人など世界各国のポストドクター(博士課程を終えた研究者)や学生たち。そこで定期的な意見交換に参加したり、スイス人のポストドクターと共同研究に取り組むことになりました。

日本では自身の研究について途中段階で他の研究者の意見を聞ける機会は少ないため、スイスでの共同研究は収穫が多かったといいます。ポスドクとデータの分析方法や研究方針などについて意見がぶつかることもありましたが、所属したグループ流のアイデアに自分の考えを織り交ぜていくことで、視野が広がっていきました。加えて由良さんが魅力を感じたのが国際交流の充実ぶりでした。日本にいると海外の研究者と出会う機会は限られますが、欧州では教授がイタリアやフランスの国際会議に出たり、逆に外国の研究者がスイスを訪れたりと、交流の機会が多く、最新の研究情勢をつかみやすいのです。また会議の出席者の顔ぶれや発言内容から、何が今熱い話題なのかを肌で知ることができます。これも諸外国が陸続きの欧州に研究拠点を置く強みだといえます。

もうひとつ、海外の学生の博士号に対する意識の違いも由良さんには印象的でした。欧州では企業に就職するにせよ、研究の道に進むにせよ、博士号を取って初めて「一人前」と見なされています。現地での経験を通じて、世界を視野に研究を進めるなら、博士号は絶対に必要な資格だと再認識しました。現在はスイスで学んだ方法論を生かし、金融市場などの社会システムの安定性を科学的な視点から解明すべく、研究を重ねる日々。「チャンスがあれば再び海外に出て、世界で起きていることを間近に感じながら研究に取り組みたい」と留学をバネにさらに高いステージを目指しています。

ETHでの留学を経て、由良さんは「これからは、世界中のグループと競争しながら、研究分野の発展に貢献していくことが今以上に求められる」と想いを強くしました。それは同時に、世界に出て、未知の世界に触れるチャンスが増えているということでもあるはずです。ワシントン大学に滞在した塚本さんも、「海外で得るものは多い。英語が苦手だからと避けてしまわず、チャレンジしてほしいですね」と後輩にエールを送ります。海外で学びたい、世界で勝負をしてみたい─東工大には、そんな学生の夢を後押しする仕組みがしっかりと用意されています。何より必要なのは、情熱。東工大の多彩な国際交流プログラムを利用して、世界へ飛びだそう!

海外交流プログラム

選べる!

  • 世界各国の学生とチームを結成

    国際親善ロボットコンテスト
    世界中から集まった大学生たちがシャッフルされ、数人のチームを結成。チーム単位でロボットを製作し競い合う。同じチームになったメンバーが、約2週間にわたり共同生活するのが特徴。言葉や文化の壁を乗り越えてアイデアを出し合いながら、設計、製作を行います。
  • 堀和紀さん 工学部制御システム工学科 3年

  • 日本で唯一東工大生のみ参加できる

    ロンドン国際青少年科学フォーラム
    世界の約50カ国から300名ほどの理系学生が夏に2週間程度ロンドンに集まり、トップレベルの研究者による講義や討論会、また大学・企業見学に参加するフォーラム。日本からは、東工大生だけが招待されるプログラムとなっています。
  • 山本桃子さん 工学部無機材料工学科 4年

  • 米国の大学・企業を巡る弾丸ツアー

    先進理工系大学体験型短期派遣プログラム
    海外滞在経験のない学生が留学を疑似体験できるプログラム。ワシントン大学とマサチューセッツ工科大学で、英語による模擬講義やゼミを体験でき、現地学生との交流の機会も設けられています。さらに、研究施設や学生寮、企業見学などもあり、今後の留学の参考となるでしょう。
  • 吉原茉里さん 工学部金属工学科 4年

  • 海外でインターンシップ体験

    グローバル人材のための
    サイエンスコミュニケーション
    サイエンスと社会は、どのようにつながり、どのように支え合っているのか。これを大学ではなく、海外の仕事場へのインターンシップで体感できるプログラム。行き先はメディア機関や科学館など。期間は2週間程度ですが、大学とはまた異なった経験ができます。
  • 亀山敦史さん 理工学研究科化学工学専攻 修士課程2年

  • 2つの大学院の学位が取れる

    東京工業大学--清華大学
    大学院合同プログラム
    中国トップレベルの清華大学と東京工業大学が共同で設置した大学院の合同プログラム。日本語・中国語・英語を駆使して国際的リーダーシップを発揮できる優れた理工系人材の育成を目指します。学生に両大学の学位を授与する日本初の大学院ダブルディグリープログラム。
  • ノーベル賞授賞式に参加できる

    ストックホルム
    国際青年科学セミナー
    将来の科学技術を担う世界の優秀な若者がストックホルムに集まり、1週間の日程で交流するプログラム。ノーベル賞授賞式へ出席できるほか、他国学生との交流やストックホルム近郊の大学・研究機関への訪問、ノーベル賞受賞者によるセミナーなどに参加できます。