工学部 土木環境工学科 学士課程3年
東工大を目指すことになったきっかけ
父が東工大卒業生なので、小さい頃から名前だけは知っていて、親近感がありました。自分は数学が大好きだったので、理系に進むだろうなという漠然とした思いもあり、なんとなく興味を持っていました。
国立大学に行こうと思ってはいましたが、実際に受験校を明確に決めたのは、高校3年生の夏の模試の後でした。模試の結果を見て、東工大に決めました。東工大は理系の中ではトップクラス。世間があまり知らないというのも、自分の中では逆にいいと思いました。「知る人ぞ知る」という感じで(笑)。
あと、理系の大学というのは、決め手として大きかったです。研究に没頭している姿に憧れがあり、大学では勉強をがんばりたかった自分にとっては魅力でした。特に東工大は、Webサイトを見ても、パンフレットを見ても、他の大学に比べてまじめそうなところがいいな、と思いました。まずは東工大ありきで決めて、そこから1~7類でどこが自分に合うかな?と考えて、最終的に受験する類を決めました。
将来何になれるかよりも、その時の自分の興味を重視して決めましたね。同じ学科の先輩から「就職先は色々あるよ」と聞いていたので、どこへ行っても色んな道があるだろうと思っていました。
東工大に入ってみて
授業は課題も多く、それぞれ期限も決められていて、毎日結構忙しいです。でも自分がやりたいことをやれているので、忙しくても楽しいですよ。作り上げたものを発表するために、プレゼンも行っています。パワーポイントを使って資料をまとめて、皆の前でプレゼンをし、レポートにまとめて、ということをやっています。レポートをまとめ終わるとすごく充実感がありますね。
あとは、大学に入ってからの方が、高校の頃より競争意識が激しいと感じますね。東工大は人数が少ないから余計そう思うのかもしれません。私自身もやっぱり周囲には勝ちたいという思いが強いですが、周囲の子もみんな「負けたくない!」という意識があります。
特に、授業のグループワークなんかで成績の順位がつく時は、「負けてたまるか」という意思がひしひしと伝わってきますよ(笑)。
勉強や部活、バイトで毎日忙しく、授業や課題や試験にも追われているので、大学生っぽくない生活だなー、とは思います。毎時間授業がありますし、同じメンバーが同じ部屋で授業を受けるので、高校の授業のようです。一つのクラスという感じがしますね。その分、ライバル意識も仲間意識も強いです。だからこそ、居心地がいいなと思っています。
東工大で今、打ち込んでいること
コンクリートと地盤工学の実験がとても面白いです。コンクリートも土も汚れるので、みんなつなぎを着てやってます。カラーバリエーションが結構あるんですよ、このつなぎ。
授業ではコンクリートを作るところからやるんですが、強度や粘度の規定に従って、配合を全部自分で計算して、作っていきます。ちょっと配合を間違えると、ドロドロすぎたり、弱くなったり、思ったような結果にならないんです。意外とコンクリートって繊細なんですよ。
書いているのは、鉄筋コンクリート梁に曲げを加えた時の中立軸(歪みがゼロになる位置)を求める計算式
この間、研究室の体験授業で実験をやったのですが、その時は型に土を入れて、専用の道具で何度も何度も締め固め、すごい固い円筒状の供試体を作ったんです。なんと130 kgぐらいまで上に乗りました。子供の頃にやった泥だんごと同じですよ。どれぐらい水を加えたり、握って押し固めたら、固くてピカピカの泥だんごができるか、みたいな感じです。実験をすると授業の理解が深まるのでとても楽しいです。
ちなみに、街でコンクリートを見ると親近感が湧きますね(笑)。
ビルの施行中の看板を見かけると、今この作業をやってるんだろうなあ、なんて想像したりします。
将来の夢について
将来の職業は今も悩んでいます。受験時代にも、将来のことよりまずは東工大ありきで受験を決めたので…。
就職するか進学するかも、まだ決めきれていません。入学前は進学せずに就職するつもりでしたが、周りで進学する人が多いし、勉強も楽しいので、進学もアリだなと思ってます。
そういう意味では、この大学は就職でも進学でもたくさん可能性があるので、ゆっくり決めていくつもりです。
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所属しているサークル/部活動は?
野球部のマネージャーをやっています。部員数は30人程で、マネージャーは全部で4人です。週3回(水・土・日)の通常練習と、週2回の朝練のときに、飲み物作ったり、ボールの管理などをしています。朝練は1限が始まる前なので、7時からですが、そんなときは5時起きなんですよ。
4部リーグは3校しかなくて、ずっと3位だったんですが、去年の秋に優勝争いを経験し、最後ギリギリ負けて2位になったときは悔しくて泣きました(笑)。
あとは高校の部活仲間で集まって、ミュージカルのインカレサークルをやったりしています。 -
一番好きな授業・研究や、印象に残っている授業・研究は?
一番印象に残っているのは「工学と環境」という授業です。
最近環境問題が話題になっています、私たちが学んでいる「工学」はむしろ環境とは真逆の存在。その工学と環境をどうバランスをとっていくか、ということを学ぶ授業です。
最後の2回の授業は、環境派と工学派に分かれてディスカッションをしました。「もしたくさん資金があるとしたら、環境を守る事に使うか、防災に使うか」ということを議論するのですが、色々な意見が出て、自分もたくさん考えることができて、とても面白かったです。 -
アルバイトはしていますか?
アパレルショップでバイトをしています。あとは知り合いに頼まれて家庭教師もしています。
アパレルショップは週1~2回、家庭教師は月に1~2回ぐらいです。
授業が忙しくなると入れないのですが、どちらのバイト先も自分のペースでやらせていただいているので、今の所なんとか両立できています。
岩佐茜(Akane Iwasa)
- 工学部 土木環境工学科
- 学部3年生 東京都出身
今やっている受験勉強が大学でも役に立つよ、と伝えたいです。自分も受験時代に言われていたらやる気がでたと思います。
微分積分とか、物理とか、基本的な考え方は同じなので、大学でもきっと役に立ちます。
あとは理系だと文系の勉強はあまりしませんが、それもやっておいたほうがいいです。大学では文系の授業も必要なので履修してますが、知らなかったことが多すぎて、びっくりしています。歴史を勉強しているかしてないかで社会の見え方も違うんじゃないかと思います。
東工大は学生の人数が少なく、先生の目が行き届いているので、やりたいことがきっと学べる環境だと思いますよ!
(2013年取材)