未来のグローバル理工人たち

空間の力で、日本の人たちを元気にしたい。宮田 智美さん 総合理工学研究科 人間環境システム専攻 中村研究室 修士1年

東工大を目指すことになったきっかけ

高校3年の時にはイギリスにいたので、大学受験は、今はAO入試に統合されていますが、当時はあった帰国子女受験を受けました。建築を学びたくて、それに絞って私大・国立どちらも探しました。国立の候補だったのは東大か東工大です。日本の大学の中でも、建築の分野のレベルは、東大、京大、東工大がすごい、と聞いていました。

志望校を決める上で重要度が高かった情報は、大学見学とパンフレットでした。東工大のパンフレットはデザインが少し地味でしたが、それがまたいいというか(笑)。それも東工大の一つのカラーかなと。泥臭い、真面目な感じがして良かったですね。
パンフレットの中に「職人」という言葉があって、その言葉にビビっと来ました。やっぱりものづくりをしたい、自分の手を動かしたい、という気持ちがあったので、職人という響きにはすごく惹かれました。

そもそも建築という分野を目指したきっかけは、高校で工業デザインの授業を受けたこと。
ある時授業で木の机を作ったんですが、机のデザインや手法って本当に色々あって、その中からどんな長さがいいかな?どんな色がいいかな?っていうのを考えて選ぶ作業って、すごくワクワクするなって思ったんです。

東工大を目指すことになったきっかけ

建築も同じ。たくさんのデザインや手法の中から、使う人のことを考えて、最適なものを選んで作る、というところに魅力を感じて、建築を学びたいという思いが強くなりました。

もう1つのきっかけは、高校生の時に家族と訪れたサグラダ・ファミリアです。あの荘厳な姿を目の当たりにした途端、建築と空間の力みたいなものを感じて、それがとても感動的で・・あとはもうこの道にまっしぐらでした。

東工大に入ってみて

入る前から、東工大ならきっといい教育が受けられる、いい環境もいい教授もいい学生も揃っているだろう、という期待がありました。理工系大学なので、理系の色んな人に会えるのは楽しみでしたね。実際に入ってみて、やっぱり東工大の学生は地頭がいいな、と思うことが多いです。プロジェクトの打ち合わせで私が説明していると、全部を言い終わる前に「つまり、こういうことだね。じゃあ、やろう」みたいに返ってきます。すごく察しがいいというか、人の意見を汲み取るのがうまいです。
あとは東工大の学生はみんなとても真面目です。彼らの真面目さについていくには、大変苦労しました。今では、私なりにまじめに取り組みつつ、いろいろなことを積極的にやることに重きをおいています。

先生も学生も優しい人が多いですね。授業でも課題でも課外プロジェクトでも、誰かが困っていたら、一緒になって解決策を考えてくれます。少人数制なこともあって、先生と一対一になれる場面も、東工大では珍しくないです。世界レベルの研究者や建築家である先生から直接話を聞かせていただいたり、研究を見せていただいたり、指導を受ける事が出来ます。かなり贅沢ですよ。

東工大で今、打ち込んでいること

東工大で今、打ち込んでいること

卒業製作として描いた、A1サイズの大きな建築のパース。CGではなく、水彩画でみずみずしく賑やかな空間を表現。

一番はやっぱり研究室ですね。学部から院に進学する際に、建築そのものというよりは、やっぱり空間を学びたいなと思って、専攻を少し変えました。今は光の設計や空間づくりのシミュレーションというものをテーマに研究しています。

あと、この大学は「やりたい」という人に多くの機会を与えてもらえるので、今は積極的に手をあげて、色々な国際会議に参加させてもらってます。今度、中国に国際会議に参加するんですよ。学生ワークショップっていうものなんですが、今後新しいエネルギーをどうやって作っていくか、どのように利用していくか、というのをアジアの理系の学生だけで話し合う会議です。
積極的になって手をあげさえすれば、チャンスはたくさん転がってます。

3年生までは東工大の広報課の活動、4年生からはリベラルアーツセンターの活動にも参加していました。いずれのグループも東工大の環境について真剣に話し合っていて、東工大のよいところを高校生にどう伝えたらよいのだろう、また東工大をもっとよくしていくには、どうしたらよいだろうか、と企画を考えたり、プロジェクトを進めたり、議論を交わしたりと、活発に取り組みを行っているんです。今はキャンパスも移って、参加できなくなってしまったのが悔しいですね。

将来の夢について

将来の夢について

10年間海外にいて、日本に戻ってきて、「日本の人たちが元気がないなあ」と感じることが多いんです。電車に乗っている人たちが、肩に重荷を背負っているというか、眉間にしわがよっているので、もっともっと元気な日本にしたい。
サグラダ・ファミリアで私が空間の力っていうものを強く感じたように、日本を空間の力で元気にできる、人を元気にする空間づくりができるんじゃないかって思っています。まだ模索段階で、何か答えがあるわけじゃないんですが・・・。
そのためには、日本だけじゃなく、色々な文化で生まれた空間の力を知らないといけない、と思っているので、将来的にはもう一度世界で空間の力を学びたいと思っています。

ミニコラム My Tokyo Tech Life

  • 所属しているサークル/部活動は?

    合気道部に所属していました。日本的なことをやりたかったんです。部活の先輩後輩関係とか憧れでしたね(笑)。今は引退しましたが、未だに繋がりは強いですよ。
    あとはNPO法人「UCEE NET」にも参加しています。少数精鋭で5~6人くらいでやっています。先日は、グローバル社会の中で、他国についての教養を深める必要性を感じて行った取り組みで、講演会・プレゼンテーションを行いました。「出身国」について留学生に講演してもらったのですが、なんと35人ぐらい参加していただきました。

  • 一番好きな授業・研究や、印象に残っている授業・研究は?

    大学院に進んで、参加型・体験型の授業が増えたので、今は割とどれも楽しいです。
    先日は「人の環境をより快適に安全にする」というテーマで特別授業がありました。すずかけ台のキャンパスをどう快適にできるか、どこが良いのか、それをどうアピールするか、というのを8人くらいでディスカッションするんです。
    参加する8人は出身の科も今の専攻も、バックグラウンドがまったく違うので、色んな意見を聞くことができます。しかも最後は「すずかけ台の良さ」を動画で表現するんです。表現の仕方も面白いと思うし、違う価値観の人と話ができるのも楽しかったです。

  • アルバイトはしていますか?

    アルバイトというのは「体験を得られる場」だと思ってるので、色んなアルバイトをしてきました。
    一番おもしろかったのは、ブライダルの配膳ですね。普段は入れないような高級ホテルにも行かせてもらえるので、「空間の力を知る」という意味でもすごく役に立ってる気がします。

宮田 智美

Profile

宮田 智美(Tomomi Miyata)

  • 総合理工学研究科
  • 人間環境システム専攻
  • 中村研究室 修士1年

高校生、受験生に向けて一言!

誰しもとらわれがちですが、本当に大事なのは、大学に入ることじゃなく、入ったあとに何をするか、です。
だから、結果に一喜一憂するより、もっと遠くの目標を見据えて、自分が本当にやりたいことのために頑張ってるんだ、ということを忘れないでいてほしいです。
受験生のうちはそこまで先のことを想像できないかもしれないけど、東工大は本当にチャンスも多いし、自分の想いを受け止めてくれる先生も多いので、入ったあとに色んなことを体験できます。自分次第でやりたいことが何でもやれます。だからこの大学に入るのを是非楽しみにしていてほしいなと思います。

(2013年取材)